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口腔外科的疾患

口腔外科(こうくうげか)または歯科口腔外科という診療科になじみの無い方もいらっしゃるかもしれません。文字どおり、口腔(お口の中)の外科(切ったり貼ったり)の事をいいます。教科書的には、口腔内の腫瘍、外傷、奇形、感染症、インプラント等の外科手術等を扱う診療科です。他には、種々の病気のため、一般の歯科では処置が難しい方々の治療にもあたっています。医科と歯科の境界領域を扱う科なので、歯医者さんがこんな事しているの?と不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。同じような症例を、耳鼻科や形成外科で治療されることもしばしばです。その様な症例でも歯科的配慮が必要な場合もあり、歯科の中で口腔外科という分野はなくてはならないものです。私も大学卒業後、母校の口腔外科で4年余り研鑽を積み、一般歯科では経験できないような貴重な経験を数多くさせていただきました。この間、半年間の全身麻酔の研修は、大変勉強になりました。また、いろいろな症例を通じて、自分でやれるか、一般歯科ではリスクが大きすぎて大学病院に任せたほうがいいのかの判断はできるようになったと思っています。もちろん、当院は一般歯科をメインに診療していますので、口腔外科的疾患でも簡単なものしか治療を行いません。必要があれば、大学病院の口腔外科に紹介しています。

このコーナーでは、当院で行っている口腔外科的治療や、口腔外科的疾患について一部症例写真を交えながらご紹介したいと思います。 

■抜歯

口腔外科として一番身近なものとして、抜歯があります。通常の抜歯の他、顎骨内や歯肉下に埋まった埋伏歯(まいふくし)の抜歯も行っています。これらの難抜歯になると、歯肉の切開・はく離(はがすこと)、時には骨の削除も必要で、場合によっては歯をいくつかに分割して抜くこともあります。大学病院時代、数多くの埋伏歯抜歯を行いました。大学時代も下手ではありませんでしたが、今の方がはるかに早く、手際よく処置をこなせます。流した汗の量だけ上手くなったでしょうか。(笑)

■腫瘍・嚢胞(のうほう)

できもの(腫瘍)の中には、ご存知のように良性と悪性が存在します。悪性腫瘍の場合、手術や化学療法、放射線治療等が必要になります。これらの疾患は、当然ながら大学病院での治療となります。当院は開設15年目(2010年現在)になりますが、今まで悪性腫瘍またはその疑いで、大学病院に紹介した事はまだありません。
良性腫瘍では、大きいものや診断がつきにくいもの以外は当院で切除術等を行います。
嚢胞とは袋状に増大する、いわゆるできものの一種です。顎骨内や軟組織(口腔粘膜や舌など柔らかい組織のこと)内にできます。当院では、顎骨内にできた嚢胞の摘出術等もよく行います。摘出物は、確定診断のため病理組織検査にも出しています。その分診療代は高くなりますが。(病理組織検査料は3割負担で3,000円程度)

■顎関節症

口を開けたり閉じたりする時にカクカク音がしたり、口が開きにくくなったり、あごやあごの周りの筋肉に痛みやこり、疲労感が現れる病気です。
三大症状は、上記のような 1.関節雑音 2.開口障害 3.関節及びその周囲の疼痛です。
何も治療せずによくなることも多いのですが、治療法として、夜間にマウスピースを装着してもらったり、お薬を飲んでもらったり、徒手整復(ずれた関節をもとに戻す)や、時にはカウンセリングが必要な場合もあります。

■インプラント

インプラントの頁や症例の頁に書いてあるような手術を行います。手術の基本である、切開・はく離・縫合等の基本的な手技は、大学病院勤務時に研鑽を積みましたので、ある程度の事はできます。

■舌痛症

舌の脇の部分やほっぺたの粘膜が、ヒリヒリ・ピリピリする症状がある方がよくいらっしゃいます。比較的高齢で、口の中が乾く口腔乾燥症の方が多いようです。また、その受診理由の多くは、舌にがんができていないか心配だというものです。
もともと、粘膜は湿っていなければなりませんが、お口の中が乾くと粘膜がこすれやすくなり、このような症状が出やすくなります。その様な場合には、お口の中を湿らせるゼリー状の塗り薬やスプレーを使ってもらうことがあります。
また、ある種の抗菌薬が著効を示す場合があります。 

他にもいろいろな疾患がありますが、ここからは当院で経験した症例写真を交えて解説したいと思います。撮影済みの写真をもっと調べれば、まだまだ症例はあるのですが、今回はこれくらいにします。


歯肉増殖症(増殖性歯肉炎)

.jpgある種の降圧剤や抗てんかん薬の副作用で、歯肉が腫れてくる症例です。
腫れた歯肉は硬く、普通の歯肉炎や歯周炎と比べて出血しにくいのが特徴です。
降圧剤を内服していても、ブラッシング指導だけで改善することもあります。
治りにくい場合には、内服薬を変更してもらうこともあります。



乳頭腫 / (硬性)線維腫 / (難治性)口内炎


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◆ 乳頭腫 ◆
舌縁部にできた比較的小さな乳頭腫です。
増殖は緩慢で、字のごとく乳頭状に増殖した良性のできもの(良性腫瘍)です。
まれに、お口全体に多数の乳頭腫が発生することがあります。
乳頭状に増殖する悪性腫瘍(癌)との鑑別が重要です。

 

 


◆ (硬性)線維腫 ◆
舌背から舌縁にかけてできた線維腫です。
上述の乳頭腫同様、増殖が緩慢ならそのままで経過観察することも多いです。 

 

 

◆ (難治性)口内炎 ◆
舌縁部や舌尖部に多数の口内炎ができた症例です。
歯や補綴物(銀歯等のかぶせもの)の鋭縁で傷ついてできることもあります。
口腔乾燥症の方などは、粘膜が傷つきやすく、治りにくい場合があります。
治りにくく、数ヶ月も治癒しない様な場合は、別の病気の可能性もあります。




(軟性)線維腫(ポリープ)/ 良性唾液腺腫瘍

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◆ (軟性)線維腫(ポリープ)◆

口蓋部にできた線維腫です。
経過は長く、かなり前から存在を自覚していたようですが、発育が緩慢なため放置していた様です。
切除し、病理検査をしました。 

◆ 良性唾液腺腫瘍 ◆

口蓋部にできた腫瘍です。
発育は緩慢でしたが、口蓋部の小唾液腺由来の唾液腺腫瘍を疑い、大学病院口腔外科に紹介しました。
同じ種類の腫瘍でも悪性のものがあることや、比較的大きかったため当院では治療を行いませんでした。







血管腫

4.jpg頬粘膜下にできたものです。字のごとく、血管が増殖する腫瘍の事です。
小さく、増大傾向等が無ければ、そのまま経過観察します。






上皮真珠

5.jpg赤ちゃんの歯肉にできた白っぽい粘膜病変です。
そのまま放置しても問題ありません。







下顎隆起

6.jpg下顎の舌側に、骨が大きく盛り上がってきています。
少しずつ大きくなりますが、特に問題ありません。
床義歯を装着する場合、邪魔になる時には切除する事もあります。
同様の骨隆起が口蓋中央や歯槽部にできることもあります。
特に咀嚼力が強い方に多くできるようで、歯がかけたりすり減ったり等を伴う場合もあります。




舌小帯強直症

7.jpg舌の裏側にある筋(すじ)(舌小帯)が短い場合、舌の運動障害や構音障害がでることがあります。
症状等により、切開し伸展させることもあります。